健康経営

HEALTHY MANAGEMENT

健康経営宣言

 社員の健康を重要な経営資源の一つと捉え、ご家族を含めた自発的な健康維持増進活動に対する積極的な支援と組織的な健康づくりの推進で、「社員が活き活きと仕事ができる」企業グループを目指します。

代表取締役社長 添田英俊

健康経営取り組みのコンセプト

『健康社員の育成を通して、元気な地域、元気な高齢者創りに貢献します。』

◆取組の背景

 当社グループの健康経営は、プラチナ構想ネットワークが提唱するエコで健康な社会を創るという活動に共感したことに始まります。当社グループの主力事業を通したエコな社会創りへの貢献、そして健康社員の育成を通して元気な地域、元気な高齢者創りへの貢献、これを実践することをミッションに設定したことに始まります。

◆健康社員育成

 具体的な健康社員育成への取組は2013年です。ツール(健康関連データ収集、見える化、保健SNS)、コンテンツ(10分ランチフィットネス®、スマホアプリ)を活用し、エビデンスに基づいた運用による健康社員の育成を実践しています。2021年より中期3ヶ年の目標として以下5項目を設定しています。

  • ①全社員の行動変容ステージ1アップを計る。
  • ②メンタル不調による長期欠勤者を0に近づける。
  • ③2021年10月より敷地内禁煙を開始、近い将来には喫煙者を0に近づける。
  • ④糖尿病予防、重症化予防を念頭に健診データの糖代謝及び、メタボ異常なし率を20%改善する。
  • ⑤生活習慣病による通院回数及び、医療費の適正化に向かっていることを確認する。

◆家族への展開、地域への展開
そして取引先を含む企業への展開

 当社の健康経営は社員だけではなくご家族の健康育成も視野に入れます。職域での歩く競争は家族への波及も顕著です。家族に対する健康診断受診勧奨や健診データ管理にも力をいれていきます。
 さらに、地域の健康サポート、高齢者の健康サポート、取引先や健康経営に価値を持つ企業と協調した健康サポートにも力を入れていきます。

健康経営を推進する体制

健康社員の育成、元気な地域、元気な高齢者創りに貢献する体制を図1に記します。

  • ①当社グループでは、経営トップ自ら健康改善(ウォーキングによるメタボ改善)・行動変容(特に体調の改善意欲)をベースに率先した社員の健康改善・意識・行動変容フォローを行っています。
  • ②当社グループでは、健康経営プロジェクト(PJ)を設置しています。このPJは、管理部門、営業部門、設計部門、IT部門、そして労働組合から選任し、常勤保健師を含めた12名で編成されており、各部門特有の健康課題や改善施策、状況確認、さらなる改善活動のPDCAを回しています。また、健康をサポートするツールの開発そして、社外へのビジネス展開はIT部門が担っています。

当社グループの健康課題について

◆生活習慣改善の課題

 健康社員育成に着手した2013年の当社グループ健康関連データの状況を図2に記します。

  • ①2008年→2012年の健診データ及びレセプトデータを分析。(保健師、保健組合によるデータ整理)
  • ②重要指標の1つ糖代謝はこの5年間で4.6ポイント悪化している。社員は確実に糖尿病に向かっている。
  • ③重要指標の1つ脂質はこの5年間で10ポイント悪化している。社員は確実に動脈硬化に向かっている。
  • ④通院回数も医療費も確実に増加傾向にある。
2012年当時の健康関連データ

図2 2012年当時の健康関連データ

◆地域への展開そして持続的な社会貢献を実現すべくビジネス展開に向けて

 当社グループで実証できた健康経営活動をベースに、または地場大学との共同研究で創造した成果物をベースに、地域の健康寿命延伸事業への積極参画を行います。高齢者の健康、健康経営に取り組む企業との協調も積極的に行い、社会貢献のビジネスに務めます。

当社グループの健康経営の取り組みと改善状況

◆健康関連データの見える化、セルフマネジメントを可能に

 地場の大学や病院と共同研究から健康関連データの収集・見える化、生活習慣の改善をサポートするツールを開発、運用・実証研究を通して改良継続中です。2013年より社員食堂システムと連携し、摂取カロリーの自動収集から、2016年には全社員にfitbitを配布し歩数や消費カロリーを自動収集、カロリーバランスの確認や歩く競争を行っています。全体像を図3に記します。

ヘルスケアサポートツールの全体像

図3 ヘルスケアサポートツールの全体像

◆職場環境改善に向けての取り組み

 創立100周年を記念してエンジニアリング棟を2021年9月に開設。これからの新しい働き方に対応した、「スマートウェルネスオフィス」を目指し、働く空間や、照明、空調などを執務者各人が選択できる柔軟性の高いワークプレイスを構築しました。

また、昨今では、プレゼンティーイズム、アブセンティーズム、ワークエンゲイジメントなどが原因で、組織や個人の生産性や業務効率が低下してしまう、企業にとって「可視化しにくい損失」が問題となっています。
当社では2022年より毎月、組織とそこで働く個人の状態を可視化をするためのサーベイを実施し、組織環境の課題改善に取り組んでいます。
また、従業員がマイページ上で自身の状態を客観的に見つめることにより、自分と向き合うきっかけを作り、セルフマネジメントを推進しています。

エンジニアリング棟

エンジニアリング棟

◆職場での運動の機会を提供

 2016年全社員にウェアラブル活動量計(fitbit)を配布した頃より、職域での歩く競争を本格化させました。毎日の平日、休日を対象に1か月の合計歩数(チーム戦、個人戦)で競い合います。担当の職種(現場職はよく歩くが事務職はそうでない等)によるハンディも大きく、休日のみを対象にする等、適時運用の工夫も行っています。

また、当社では運動イベントも多く、アクティビティスペースを利用した卓球大会やボルダリング教室等では幅広い年齢の従業員が職場、職種を超えて交流し、職場の活性化に繋がっています。

<2022年度古賀事業所 卓球大会の様子>

◆体温管理

体温管理

 2020年5月より出退勤時の体温管理を徹底しています。
 ①顔認証による本人確認
 ②発熱確認
 ③マスク着用確認

◆社員食堂の改善

 野菜摂取を増やすべく、当社グループの社員食堂では昼食時のサラダバイキング、青汁・野菜ジュース・クロレラ無償提供を2019年4月より開始しました。栄養バランスのとれた社員食堂ランチ代の一部を会社負担にて運用しています。さらに2021年8月より、株式会社KOMPEITOに協力いただき、持ち帰りも可能な100円野菜パックの設置(OFFICE DE YASAI)も行っています。

◆禁煙に向けた取り組み

 当社グループの禁煙活動の進め方です。2021年10月に敷地内禁煙を実施、近い将来に喫煙者0が目標です。
 ①2017年 1月 建屋内禁煙開始(建屋内喫煙スペースの全排除)
 ②2018年10月 産業医科大学 大和先生による禁煙セミナー開催
 ③2020年 7月 禁煙タイムの徹底開始(禁煙時間:8:45~12:00、12:45~17:30、17:45~)
 ④2021年 1月 終日禁煙日を設定(毎月22日)
 ⑤2021年 7月 終日禁煙日を設定(毎週水曜日、毎月22日)
 ⑥2021年10月 敷地内禁煙を実施

以上の取り組みで、社員の生活習慣改善も顕著です。昨今の主要な健康関連データを図5に記します。

健康関連データ改善状況

図5 健康関連データ状況

◆エンゲイジメントサーベイ

 2021年全社員を対象にエンゲイジメントサーベイを行いました。これには経営コンサルティング会社のツールを活用しました。プレゼンティーイズム、ワークエンゲイジメントの尺度と課題認識に繋がりました。
「業務負荷の影響」、「価値・やりがいの支援不足」、「コミュニケーション不足」、各部門の特性に応じそれぞれの尺度・課題があぶり出されました。各部門単位に分析を行い、職場環境の改善活動を設計、実際の活動に入ったところです。今後も定期的なサーベイを実施しPDCAを回していきます。
 エンゲージメントKPI 2021年64Pt(実績) → 2026年71Pt(目標)

◆プレゼンティーズム・アブセンティーズム

 SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版)や「「健康を保持・増進する7つの行動」 簡易チェックシート」を参考に、アンケート調査を実施いたしました。
<プレゼンティーズム>
病気やけががないときに発揮できる仕事の出来を100%として、
過去4週間の自身の仕事を評価した結果の平均:87.3%(プレゼンティーズム:100% ― 87.3% = 12.7%)
<アブセンティーズム>
2022年度に自分の病気で仕事を休んだ日数の平均:3.3日
※2022年実績値、対象:経営統括本部 社員47名、回答率100%

・過去の結果・
[傷病による休職者の人数とその総日数]
 2018年:6名、505日 → 2021年:3名、242日
[傷病による欠勤および休職の日数の全従業員平均]
 2018年: (欠勤)1.2日 (休職)0.7日 → 2021年:(欠勤)1.6日 (休職)0.3日
[復職者の所定労働時間に対する稼働率]
 2018年:88% → 2021年:98%

地域の健康、健康経営サポートの取り組みと状況

◆地域での取り組み(地域貢献)

 当社グループでは、元気な高齢化社会創りに向け、地域の様々な健康寿命延伸事業や高齢者の楽しく運動サポート事業への参画を行っています。

  • 福岡市ヘルス・ラボでは、当社グループ開発の起立の森(介護予防を目的にした運動サポートコンテンツ)を活用し、高齢者が楽しく継続的に運動できることを確認しました。介護施設等での活用が始まっています。
  • 行橋市の健康寿命延伸事業では、対面による運動指導とITを活用した非対面指導を併用し、体力年齢の改善とその維持が可能であることを実証しました。
  • ③自治体及び凸版印刷(株)様と協調した、地域の皆様の活動量を向上させるウォーキングでは、職域対抗戦市民・県民向けアプリの提供等実績も豊富です。
  • ④地域の健康寿命を伸ばす商店街向けにウォーキング支援アプリでは、歩くことやスタンプラリーへの参加により地域商店街への来店支援、地域住民の健康促進が始まっています。
  • ⑤金融機関バンキングアプリと連携した健康増進系エンターテイメントアプリの提供により、利用者が楽しみながら健康促進を推進しています。バンキングアプリは、アクティブユーザの向上、新規顧客獲得が改善され、魅力が高まります。

◆健康経営に取り組む企業との協調、学術機関やベンチャー企業との協調(産業貢献)

 当社グループでは、健康経営に尽力されている企業様に向けましても積極的な協調を行っています。各企業様の健康経営に対する主要テーマはそれぞれ違います。社員様の運動改善が第一、産業医・保健師業務のDX化、食やメンタルヘルスの改善、バイタルデータ管理、健診データの電子化、といった具合です。それぞれの視点でソリューションという形でツールの提供と運用をサポートしています。
  また、ヘルステックベンチャーの皆様との協業も具体的に進めています。例えば、ライフログテクノロジー(株)が提供する食事解析アプリは、栄養素分析にもとづいた食事アドバイスを行います。また、マイネム(株)の笑顔で感染症を予防するエミーウォッシュは、ワークエンゲージメントやコミュニケーションの尺度や向上にも活用できる可能性があります。
 ラフールサーベイは、組織と個人の可視化や行動変容を促し、組織のパフォーマンスを上げるための要素を知る、組織改善サーベイに取り組んでいます。エンゲージメントを高め、組織改善していくための強みと課題が人的資本経営とウェルビーイング経営を進めています。
学術機関との共同研究分野では、軽度認知障害(MCI)となる判定要素の検出開発を進めています。
早期発見や予防が、健康改善活動につなげております。
いずれもヘルスケアをテーマに具体的な協業が進んでいます。

◆当社グループのヘルスケア関連団体への参加状況、受賞状況

 当社グループでは、地域、高齢者、社員の健康をサポートするツールの開発、展開、運用サポートを行っています。地域の社会貢献とビジネスの両立に尽力する中、九州ヘルスケア産業推進協議会に参画し、地域のヘルスケア産業の活性化にも取り組んでいます。

    2013年 第6回フクオカRuby大賞 奨励賞

    2014年 第1回ヘルスケア産業づくり貢献大賞 特別賞

    2016年 第4回プラチナ大賞 イノベーション賞

    2016年 第2回Ruby biz グランプリ ソーシャルイノベーション賞

    健康経営優良法人

     当社は、経済産業省および日本健康会議の健康経営優良法人認定制度において、2024年3月11日、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の上位500法人である「ホワイト500」に認定されました。当社グループは継続して優良な健康経営を実践していることが認められ、 2018年より7年連続で健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を受けています。さらに今年度は経済産業省と東京証券取引所の共同による「健康経営銘柄」にも初めて選定されました。


     

    健康経営優良法人制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。また、「健康経営銘柄」とは経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる上場企業の中から選定するものです。

     本認定は、健康経営宣言のもと、社員の健康維持増進活動に対する積極的な支援と健康づくりの推進が評価されたものです。

    認定法人
      (株)正興電機製作所
      正興ITソリューション(株)
      (株)正興サービス&エンジニアリング

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